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男性の育児休業が進むことで家庭円満に

育児介護休業法が本年10月から大きく改正されることはご存知のことと思います。この紙面でも何度かお伝えしておりますが、男性の育児休業取得率を上げるための策として進められています。なぜここまで男性の取得率向上に目を向けるのか、それは改正項目から読み取ることができます。

今月は、改正育児休業法を改めて理解していただき、男性も女性も心地よい制度となるためにはどのように動くべきかなど考えてまいります。

育児休業の取得率は、女性が81.6%、男性が12.7%(厚生労働省「令和2年度雇用均等調査」より)となっており、圧倒的に男性の育児休業取得率が低いことがわかります。国は、男性の取得率を令和7年度には30%にしたい考えもあり、今回の改正になっていると考えられます。

女性の就業環境も大きく変化しており、第1子を出産後退職した方は、約30年前と比較すると37.3%だったものが33.9%となり、就業を継続したという方は同様に5.7%から28.3%に増加し、育児休業制度が定着した結果といえます。

出産後に退職した方の理由は、仕事と育児の両立が難しかった、家事・育児に時間を取るためなどの回答が多く、これまでの母親が率先して家事・育児を担当するという図式が出来上がっていたものと考えることもできます。両立が困難だった理由には、気力、体力の不安もあげられています。この両立が困難であるとか、家事・育児に時間を取りたいということの裏側には、父親の家事・育児への協力があれば退職せずに済んだということがあるといえます。一人で育てていくものではありませんので、もっと積極的に接することで母親への負担が軽減され、心身ともに支え合って生活してくことができます。

また、育児休業をしなかった理由についても聞いており、収入を減らしたくなかったという点が大きな理由ともなっています。ご存知のように、育児休業などでお休みをされるとお給料の支払いはなくなりますので、大きな収入減にはなりますが、公的保険がカバーできる一番のポイントになります。

公的保険制度を活用した場合は、健康保険から出産手当金、その後雇用保険から育児休業給付金が支給され、休業中の健康保険料などが免除になるためその負担がなくなり、手取り金額の開きは休業前の賃金の約8割が支払われることになりますので、手取り金額の開きは大きなインパクトではないことがおわかりいただけると思います。男性女性ともに育児休業を取っても同じように支払われますので、若干の家庭収入は目減りしますが、公的保険が守ってくれる制度ということです。

また、改正点でもある有期雇用労働者の取得要件緩和は、お仕事をする期間の限度が決められていますので、どうしても育児休業までたどり着けないハンディがありました。この点が改善されることで、有期雇用の方も雇用が継続すれば安心して育児休業を取ることができるということです(一部制限あり)。

今回の改正では様々なハードルを取り除くことになりましたので、次世代育成のためにも雇う側、雇われる側双方が理解して進めていきたいものです。