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自己防衛で認知症対策をするか  新薬に期待するか

今年の9月に、認知症の治療薬が承認され年内には薬価が決定し、保険の適用が進められていることが報道されました。

数十年前から研究が進められているこの分野ですが、特効薬というものが存在せずいつ襲ってくるかわからない脳の病気に対して不安を抱いていた方にとっても朗報となるか期待したいところです。

国の調査によりますと、2020年に65歳以降で約602万人とされていた数が2025年には約675万人と推定され、今後の高齢化にプラスする形で認知症の患者数も増加していくことが伺えます。

海外でも多くの患者を抱える認知症、65歳以前と65歳以降では若年性なのかどうかでカウントする人数も変わってくるとのことですが、高齢化とともに悩ましいい数値になってきています。

今月は、高齢化とともに進む認知症について考えてみましょう。

あの人の名前が思い出せないとか、うっかりミスで忘れ物をしてしまった、最近ど忘れがひどいなど、「物忘れ」の経験は誰もがあることでしょう。これが、経年とともに忘れてしまうことが「認知」とされています。前述の2025年は団塊の世代が後期高齢者医療制度の対象となる75歳になる年でもあり、2012年の調査では7人に1人だったものが2025年には5.4人に1人まで増加するとされています。

先ほど、「物忘れ」と書きましたが、認知症は加齢とともに進む物忘れとは異なるものとされています。

認知症は脳の病気とされていますが、かつては脳梗塞や脳出血などの脳血管障害によって引き起こす事例も多いとされていて、血管を拡張する薬などで進行を遅らせる時代もありましたが、今はアルツハイマー博士が1906年に発見したことに基づき、時間をかけて様々な物質が脳内に蓄積して発症する事例が多いとされており、アルツハイマー型認知症が7割近くを占めています。

国は、認知症対策対策も進めています。今年6月には「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」を交付し、高齢者に対する生活上の課題へ取り組むとして、新たな薬の効果も踏まえてスタートしています。それに合わせて、民間の保険業界でも認知症に対する商品も開発されています。

前述の新薬がどれだけの薬価をつけるかにもよりますが、高額になった場合は健康保険の高額療養費制度で負担軽減がはかれますが、それ以前の脳内物質の検査などでは一定の負担も予想されるところです。万が一認知症と診断された場合にはそれらの検査費用や一時金を受け取れるサービスなども開始されたとのことです。

完全な予防対策はないものの、生活習慣病対策や適度な運動を繰り返すことで軽減されることも提唱されていますので、家系での発症を気にされる方などは早期に動き出すことが懸命なことかもしれません。